行政書士試験の勉強は実務にも使えるのか?
2017-12-01
行政書士試験合格を目指して勉強している受験生の様子を見ると、中には、間違った勉強方法を実践している人がいます。
それは「行政書士として開業したあとのことまで考えて、行政書士試験の勉強をしている」ということです。
例えば「カバチタレのような民事を扱う行政書士になりたいので、普段の勉強においても民事に関わる範囲については、深く掘り下げて勉強しています」といったような話です。
もちろん、「どんな行政書士になりたい」「どういった業務を扱いたい」という夢を持つことは重要ですが、それと行政書士試験の勉強は別物なのです。
極端な話、行政書士試験で勉強したことというのは、実際の実務ではまったく役に立ちません。
私は開業してから今まで、受験生当時勉強した、行政法や民法が実際の仕事で役に立ったことはありませんし、民事を専門に扱っている行政書士であっても、行政書士で勉強した民法を活用しているという人は、ほとんどいないでしょう。
行政書士の実務は専門の実務書で改めて勉強することになりますから、今、勉強したことが使えるということではないのです。
むしろ、「行政書士として開業したあとのことまで考えて、行政書士試験の勉強をする」というのは、行政書士試験で合格することにとってマイナスになってしまうこともしばしばです
というのも、「自分が知りたいことを勉強する」のと「合格に必要な知識を学ぶ」ことはイコールではないからです。
行政書士試験に合格したいのであれば、それを目的とした勉強方法を実践する必要がありますので、「開業後を見据えた勉強」ではなく、まずは、「行政書士試験に合格するためには、どういった勉強をするべきか」だけを考えて取り組むようにしましょう。